【ワシントン=山田哲朗】睡眠不足がアルツハイマー病を引き起こす可能性がある
との研究結果を、米ワシントン大などの研究チームが24日の米科学誌サイエンス
電子版に発表した。
物忘れがひどくなるアルツハイマー病は、脳内にアミロイドベータ(Aβ)という
異常なたんぱく質が蓄積するのが原因と考えられている。
研究チームは、遺伝子操作でアルツハイマー病にかかりやすくしたマウスの
脳内を観察。Aβが起きている時に増え、睡眠中に減ることに気づいた。
さらに西野精治・スタンフォード大教授らが、起きている時間が長いマウスでは
Aβの蓄積が進むことを確認。不眠症の治療薬を与えるとAβの蓄積は大幅に減った。
研究チームは「十分な睡眠を取ればアルツハイマーの発症が遅れるかもしれない。
慢性的な睡眠障害のある人が、高齢になって発症しやすいかどうかも調べる必要
がある」としている。